ハードワークエンジニアのひととき

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10. 信頼性試験とは ~試作品の弱点をあぶり出す~:安心して世の中に出すためには肉体労働もあり

信頼性試験とは

 4項でも述べましたが製品を量産するためには信頼性の確保が必要です。信頼性とは仕様として決められた周囲環境に耐え得る性能を有しているかどうかということです。
基本的な試験として、高低温保存、高温高湿動作、高低温動作、冷熱衝撃、振動、衝撃(加速度)、静電気、梱包落下衝撃 があります。


温度や湿度、試験時間、試験台数などの試験条件と合否判定条件はそれぞれの製品毎に顧客要望や社内ルールによって決めることになります。


実際の試験を行う手順については、各社によって異なると思われますが、信頼性部門が全ての試験を実施することもあれば、設計者自らが実施することもあります。
高温高湿動作試験ですと、例えば温度50℃湿度90%RHの条件に設定された恒温槽に試作品を決められた時間(例えば500h)、通電状態で放置し、途中経過の確認として投入後120h後などに電気的性能測定が必要となります。


小さな部品であれば、部品だけを恒温槽に放置して測定用の信号線を恒温槽外に引き出して性能測定をすればいいのですが、大きな部品(LCDパネルなど)になると、部屋みたいに大きな恒温槽の中に人間が入って性能測定をしたりすることもあります。


さて、50度、90%の環境を想像してみてください。その槽のなかで動き回って測定するのです。どうですか、着替えのTシャツとタオルが必要な肉体労働ですよね!