ハードワークエンジニアのひととき

エンジニアを育てよう Re.Japan

9. コストダウンとは ~VE設計です~:お金も大事だよ!

製品設計において、まず動くものを創ることはとても重要なことですが、芸術品でもない限り一品ものでは頂けません。

世の中広く行き渡る製品として成り立たせるために、なぜ、所望の性能・特性・機能が発揮できたたのかを確実に自身のモノにして、大量生産が出来るようにしましょう。

そして企業活動としての利益確保のコストダウンに励みましょう。1個当たり10円のコストダウンであっても100万個で1,000万円のコストダウンです。これが全て利益となりますよ。

VEについては簡単な数式で説明でき、
「VE =機能 ÷ 原価」 または 「VE =品質 ÷ 原価」 となります。
これらの式からVEを増加させる方法としては、

コストダウン(VE:バリューエンジニアリング)の考え方は、次の3つと考えています。

1.同じ機能・品質で価格を下げる。
2.機能・品質を多く上げて価格を少し上げる。
3.機能・品質を少し下げて価格をより多く下げる。
なお、ここで言う価格は「原価(=材料費+加工費)」を意味します。
そのほか、機能・品質を多く上げて、価格を低減するもありますが、基本的にこの考えを実現することは難しく、この手法は、場合によっては、「買いたたき」の考え方に近くあまり賛同できません。とは言え、生産設備などの減価償却後のコストダウンという意味で有れば受け入れることができます。

一番重要なことは、自分の設計する製品は上記1~3の何れのVE手法がユーザー(お客様)に対して最適解なのか考えてみることです。きっと、ユーザーの要求仕様(機能・品質)やその時の製品トレンドで違ってくるのでは無いでしょうか。

いずれにしても、ユーザとのコミュニケーションを密にした上でVEを進めることが大前提であり、自社独自にコストダウンを進める場合でも、上層部のプレッシャーに負けて製品が問題を引き起こすような「賭け」のようなVEだけはなさらないように・・・。