ハードワークエンジニアのひととき

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フレッシュな回路設計エンジニアに向けて7つ道具をご紹介します

電子回路を設計するハードウェアエンジニアとして採用された新卒新入社員の皆様、いかがお過ごしでしょうか?

大手JTC企業であれば新入社員全員での集合研修が終わり、各配属先での研修中でしょうか?それとも、座学などそっちのけで、早速、OJTで現場の第一線で活躍されていたりしますか!?

今回は、新人エンジニアに教えしておきたい、電子回路エンジニアが使い倒している本当に役立つ7つ道具をさくっと解説してみます。


はんだごて
試作品の組み立てやコンデンサーや抵抗の定数検討で部品実装するときに使用するのはご存知の通りです。このアイテム無くしては、ハードウェアエンジニアと呼べないといっても過言ではありません。

はんだ付けをする箇所の部品が高密度実装になっているかどうかや、GNDが多く熱の逃げが早いのかなどの条件で最適なこて先が違うので、実務的には一つに絞ることは本当に難しいですが、一般的によく見かける鉛筆の形状のB型よりも部品との接触面積の広いC型が熱が効率的に伝達することができるので使いやすいように思います。

さらに詳しく知りたい方は、はんだこてメーカーのHakkoのサイトが参考になりますのでご覧ください。

www.hakko.com

その他にイレギュラーな使用方法なのかもしれませんが、便利な用途を以下に列記してみます。ただし、決してお勧めしているわけではありませんのであしからず・・・

・熱収縮チューブを収縮させる
・スポット的に高温にして高温時の変化を見る
・局部的に樹脂を溶かす
・二刀流でチップ部品を素早く取り除く


ピンセット
基本的な使い方としては、チップ部品など小型の部品ををつまむものです。
本体の素材や、先端の太さや形状も様々な種類があり、こて先と同様に、用途次第で選択するのがベターです。
バネの強さも様々なので、先輩が使用しているものを一度触ってみましょう。
この時、先端を曲げたりしないように取扱いに注意した上で手に持った感触で、重さ、ばねの強さ、先端部分の広がり具合で自分に合っているかを確認しましょう。


こちらのサイトを見てみてください。種類の多さに驚かされるかもしれません。

www.nejisaurus.engineer.jp


急冷材
特にアナログ回路での回路定数を決定するに際して、適切な定数が選定できていないと意図しない発振や過大な増幅作用などの異常動作を起こします。異常動作の検出時には温度の正確性はあまり問わないため、急冷材で冷却して不具合が起きないか、あるいは、不具合を起こす可能性のある回路部位を特定する際によく使用します。

はんだごてでやけどした指を急冷材で冷やすために常備しているものでは無いですよ。


テスター/マルチメーター
主に、デジタル式のマルチメータを使用して、直流の電圧値や電流値、抵抗値を測定するために頻繁に使用します。
この道具を毎日使用しない人は、真のエンジニアと呼べないかも。


ドライヤー
急冷材と反対の使用目的ですね。高温時に電子回路が異常動作を起こさないかの確認によく使用します。


特殊な使い方として、急な来客時の身だしなみにも利用しても良いですね。

ニッパー
電線を切ったり、被覆をはがすために使用します。
被覆はがしには、ワイヤストリッパーという便利な道具を積極的に使用すればよいという考えも正解ではありますが、ニッパーで電線の被覆をはがすこともできるようになっておくと良いかと思います。


カッターナイフ
一般的には紙を切断するために使用しますが、
実機上での回路変更のために、電子回路基板の銅箔パターンの切断や、レジストを剥離して、そこにコンデンサや抵抗などの部品を追加するなど活躍の場はかなり多いです。


ただし、小学生のころから慣れ浸しんでいるだけに、お手軽に使用する道具ですが、
会社内では頻繁に労災として取り上げられる刃物ですので、怪我には注意して使用しましょう。


どうでしょうか。かなり泥臭い道具たちに思えるかもしれませんが、本当に役立つ良き相棒なので大胆かつ大切に使ってあげましょう。