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3の3. 基板設計 で回路設計を形にする:電気的性能を満足する基板デザインができるかな?

基板設計とは

私は、回路設計は理屈上の設計であり、基板設計が実態配線設計と考えています。つまり、回路設計エンジニアは基板設計もできる必要があると思っています。

基板設計は、基板設計者の能力が一番発揮できる仕事としての醍醐味であり、電気特性を満足する基板デザインができるかどうか基板設計に必要とされるスキルです。

例えば、通信機器の高周波回路やデジタル系の高速信号伝送回路においては、伝送ロスの最小化や信号の反射を最小化にするインピーダンスマッチングの考え方が重要です。また、電子機器は各種の規格や法規制に適合する必要があり、それらの認証試験に合格するためには、例えば、しばしば問題になるノイズ発生を抑えた基板のデザインができるかが重要なスキルです。

まずは、ディジタル信号GND、アナログ信号GND,電源系GNDを3つのGNDを最優先に意識して設計をしましょう。そして、各信号線の配線を行いますが、最短配線、等長配線、電流容量を考慮した配線幅、高周波・高速信号線のインピーダンスマッチング、GNDによる信号線のガードなどを意識すると同時にそれらの信号がGNDを通して信号源に流れ戻る経路を想像しながら配線しましょう。
よく言われるアナログとディジタルのGNDを分離する手法も、場合によっては悪影響を及ぼすことも多々あり、なかなか奥が深いですよ。

基板設計に関しては、一朝一夕にスキルを身に着けることができないものですが、先輩たちのノウハウが凝縮されている書籍で学習してみるのも近道なのかもしれません。