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2の2. 回路設計 をするための技能として : 回路系CADの操作ができるかな?

回路設計では必ず図面作成にCADを使用しますので操作に慣れましょう
多くのCADシステムでは基本的な抵抗やコンデンサトランジスタといった回路図記号はライブラリとしてシステムに登録されていますが、ライブラリに登録が無い場合は自分で作成する必要があります。

回路図に配置する回路記号を作成することを部品シンボル作成などの呼び方をします。特にIC等は、必要な形状や端子配列になっているシンボルが無い場合が多々ありますので作成作業が必要です。このシンボル作成は地道な作業ですが、お絵描きソフト的に線を引いたりしますので、CADの扱いに慣れるにはうってつけかもしれませんね。CADの素早い操作が設計スピードに繋がりますので頑張りましょう。自学自習として以下を試してみるとザックリと理解できると思います。

さてCADソフトの操作そのものの取得も当然必要ですが、それだけでは不十分です。回路図作画においては伝統的な基本ルールがありますので紹介します。

①回路図面では信号が左側から右側へ流れるように記載すると、独りよがりにならず他の多くの回路設計者が読みやすい図面を描くことができます。
②回路図記号の近くに「部品番号(リファレンス番号)」「回路定数」は必須でICやトランジスタなどは「回路定数」の代わりに「部品名称」を記載します。
③設計上の注意事項は遠慮なコメントとして図面内に記載する。回路設計者が意図するところを基板設計者(アートワーカー)に全て回路図面上で伝えることは非常に難しいですが、実際の基板レイアウトに近いように回路図を作画する方法は有効です。

例えば「ICの〇番端子の直近に配置する」ことの必要があるコンデンサは、回路図上でも端子のすぐ近くにコンデンサを配置した上で、「〇番端子の直近に配置」と記載したり、あるいは、基板の容量成分が悪影響しないように部品直下の「内層GNDを抜く」や信号の位相ずれを防ぐために「等長配線をする」やインピーダンス整合が必要な個所は「インピーダンス50Ωライン」などのコメントを記載することは有意義です。

いずれにしても、多くの経験を積んでいる優秀な基板設計者であれば、回路図と部品仕様を見れば回路図が意図するところを理解できるのですが、基板設計者が独自の解釈をして基板設計することで回路設計者との間でトラブルが発生しないようによく相互コミュニケーションをとることが肝要です。