ハードワークエンジニアのひととき

エンジニアを育てよう Re.Japan

13. ユーザーサポートとは ~豊富な知識力が必要~:アンテナ感度を高めて日々勉強であることを忘れずに

豊富な知識力

製品設計者は数多くの部品やモジュールを使用して製品を設計している為に、その部品を使いこなすべく豊富な知見を持っています。ユーザと対等に技術討議をするためには自身の設計したデバイスのみならず、そのデバイスが使われる製品の知識もある程度必要です。


ただし、最初から誰でもが詳しい訳ではありませんので、臆せずに日々自らの設計物とそれが使用される製品について興味を持ち、積極的に考察する努力を積み重ねましょう。

 

 

12. ユーザーサポートとは ~設計マッチング~:お客様の製品との融合

設計マッチング

設計物は顧客に使用されて始めて意味を成すものです。完成品の場合は、最終消費者である一般ユーザを対象としていますのでばボタンの押しやすさや、警告色、警告音量、塗装の剥がれにくさなどが重要になります。


そのようなヒューマンインタフェースをよく考えながら設計を進めるべきです。


一方でデバイスやモジュールなどの半完成品の場合は、そのデバイスと接続する相手方が必ず存在します。その相手方との電気的な整合や機構的な整合をとることを回路マッチングや機構マッチングとも言われます。


例えば、PCに使用される液晶モジュールの場合は、PC本体のLSI側から送信された映像信号を液晶モジュール側が適切に信号を受信できるようなタイミングとなるように信号波形の調整が必要になります。


機構的には、サイズや厚みが筐体に適切に収まるか、強度は十分に満足しているか?などが上げられます。

 

特にノイズ設計については、筐体に組み込んだ後で問題無いかを必ず検討することになりますが、電気回路的な側面からのアプローチと機構的なアプローチがあり、解決には経験則的な所も多々あるため、実務経験すると共に先輩方の解決手法を早く身に着けることが大切です。

 

 

11. デザインレビューとはいかに行うのか ~より良い製品に改善~:前向きな提案でお願いします

デザインレビューとは

 設計から量産までの過程では設計しているものが量産できうるものかの検証を試作の都度実施します。その検証をデザインレビュー(設計検証)と言います。
基本的な設計から量産までに行うDR(デザインレビュー)の一例は次の通りです。


机上設計(基本設計) -> 基本設計DR -> 1回目の試作(0次試作) -> 0次DR -> 0次試作での修正を反映し量産前の試作(1次試作) -> 1次DR -> 量産試作 -> 最終DR ->量産


さて、それぞれのDRでは設計部門の他に品質部門、生産技術部門、製品管理部門、企画部門などの多数の部門が参画します。そして設計検証として、主にチェックリストかされた確認ポイントについて、各部門の責任範疇で問題となる点が無いかを設計部門に指摘してきます。

 

設計部門はその指摘に対して既に解決できている、あるいは、解決できる目途が立っていることを示す必要があります。それをクリアして次の試作ステップに進むことができます。

 

ここで間違えないで欲しいのですが、本来なら設計部門が全ての課題を解決するもではなく、各部門が一丸となって解決策を考えるものがDRです。

ただ、設計者が一番よく製品を詳しくわかっているがゆえに、概ね設計者が針の筵になることが多々あります。このような雰囲気にもめげない様にするには、事前の詳細な売裏付け検証と度胸が大事ですよ。